最終更新:2007/11/2

目次


はじめに

ここでは仮想マシンを使いFreeBSDの初期インストールおよび設定について簡単に説明をしていきます。 現在お使いのWindowsパソコンの環境はそのままに利用して試すことができるので、 ハードディスクに少々の空き容量があればすぐにでも試すことができます。 設定は自由に変更できますが、快適に利用するにはハードディスクの空きスペースは5GB程度、 空きメモリは128MB〜256MB程度確保できるとよいでしょう。 たとえばWindowsXPで利用する場合はOSがメモリを400MB程度利用するので搭載メモリ512MB以上あると良い。


仮想マシンとはどんなもの?

コンピュータを利用するにはハードウェアとそれをアクセス可能にするOSを組み合わせて利用します。 さらにそのOS上で各種アプリケーションが稼動することになります。 このハードウェアを擬似的に作りだして、 その擬似的なハードウェア上でOSを利用しようというのが仮想マシンの基本です。 簡単に言ってしまえば1台のコンピュータ上で複数のOSを同時に利用してしまおうと言うことです。

仮想マシンの作成方法には主に2種類あり、 予めOS(ホストOS)を起動してその上にアプリケーションレベルで ハードウェアのエミュレートを実装するタイプと、 OSを起動せず、仮想ハードウェアの制御を行うプログラムが直接ハードウェアを エミュレートするタイプがあります。 どちらのタイプでも仮想ハードウェアで実行されるOS(ゲストOS)にとっては 実際のマシン(物理マシン)と同じように見えます。

仮想マシンを実現するソフトとしては各社からいろいろ出ています。 それぞれ長所・短所があるので、各自検討してみて欲しい。 ここでは設定が比較的楽で無償提供されているMicrosoft Virtual PC 2007を 利用することにします。Virtual PCはホストOSであるWindows上で動くタイプのエミュレータです。


Virtual PC 2007をインストールする

必要システム
Windows 2003 Server
Windows Vista
Windows XP Profesional

Windows XP Home, Windows 2000 はサポート外になってます。 しかし、インストール時のバージョンチェックを外すと動くようです。 当然サポート外なので何か問題がおきても自己解決できない人はやめたほうがいいです。 興味がある人はWindows 2000 SP4 を使い続けるに少々書いてみましたので挑戦してみて欲しい。

まずはMicrosoftのサイトからVirtual PC 2007をダウンロードしてきます。 ダウンロードページへ行くと32bit版と64bit版がありますので、 現在お使いのWindowsバージョンに合わせて選択します。 (例:Vista64bit版の場合は64bit、XPの場合は32bit)

http://www.microsoft.com/japan/windows/virtualpc/default.mspx

[ダウンロード]をクリックするとsetup.exeという実行形式のファイルを 実行するか保存するか聞いてきますのでマイドキュメントなど適当な場所に保存します。 ダウンロードが終了したら、そのファイルを実行してインストールします。 使用許諾契約書に同意したら、特に変更せずにまま[次へ]ボタンを押し[インストール]を行います。

インストールが完了すると、スタートメニューのプログラムに Microsoft Virtual PC という項目が作成されます。


Virtual PC の起動と仮想マシンの作成

無事にインストールできたらさっそく起動してみましょう。 スタートメニュー>プログラム>Microsoft Virtual PC と選択して実行します。 起動するとスプラッシュ画面が表示された後、 「Virtual PC コンソール」と「新しいバーチャル マシン ウィザード」が表示されます。 インストール直後は何も仮想マシンが定義されていませんので、ウィザードが表示されます。 ここから自分で好みの仮想マシンつまりもう一台のパソコンを作成します。

今回はFreeBSDを導入してみますので、それに必要なシステムを定義します。 FreeBSDの最小要件は486以上のプロセッサ、24MB以上のメモリ、150MB以上のディスク容量となっています。 もちろんこのような低スペックマシンではいろいろ制限されてしまいます。 インストールCDからフルセットをインストールすると約2GB程度の容量になります。 また、最新のバイナリ作成を行うには+2GB程度の空き容量が必要になります。 余裕をもってメモリ128MB以上ディスク5GB以上を割り当てることをお勧めします。 利用しているWindowsマシンで負担の無い範囲で設定しましょう。

このページで作成する仮想マシンはメモリ256MB、ハードディスク20GBを初期値としました。 なおメモリ割り当ては作成後でも増減可能ですが、OSをインストールしたハードディスクの容量は 変更できませんのでご注意ください。新規のハードディスクを増設することは可能です。 Virtual PCでは最大3台のハードディスクを仮想マシンに接続することができます。

※仮想マシンのハードディスク1台はWindows上では1個のファイルとして存在します

前置きが長くなりましたが、実際に作成してみます。

手順1 ウィザード初期画面
wizard01
選択肢はないので[次へ]をクリックする。
手順2 オプションの選択
wizard02
新規作成なので、一番上の「バーチャルマシンの作成」を選択します。
他のPCで作成したバーチャルマシンを利用したい場合は 一番下の既存のバーチャルマシンを追加するを選択します。
手順3 バーチャルマシンの名前と場所
wizard03
ここで付けた名前がVirtual PC コンソールに表示されますので、 インストールするOSの名前などわかりやすい名前を付けます。 今回はFreeBSD 6.2としておきます。
標準の保存場所はマイドキュメントの My Virtual Machines というフォルダの中になります。 ここに設定ファイルと仮想ハードディスクが作成されます。 外付けハードディスクなど増設してある場合で保存場所を変更したい場合は[参照]ボタンで指定します。
手順4 オペレーティングシステム
wizard04
ゲストOSとしてWindowsをインストールする為の標準的な設定とその他が選択できます。 FreeBSDやLinuxやSolaris等をインストールする場合はその他を選択します。
手順5 メモリ
wizard05
バーチャルマシンに割り当てる物理メモリ量を指定します。 ここで割り当てた量がホストOS(Virtual PCを起動しているWindows)から利用できなくなるので 実際に搭載しているメモリを考慮して適切な量を割り当てます。 調整する場合はスライダーで変更するか右側の入力ボックスに値を入力します。
手順6 バーチャル ハード ディスク オプション
wizard06
バーチャルマシンに接続するバーチャルハードディスクを選択します。 初回起動時にはまだ何もありませんので、新しいバーチャルハードディスクを選択します。
手順7 バーチャル ハード ディスクの場所
wizard07
名前と場所は手順3で付けたものが標準になります。特に理由がなければ変更する必要はありません。 サイズは好みで増減する事ができます。単位がMBですのでGBの場合は1024倍して指定します。 OS設定を「その他」にした場合は標準で16384MB(16GB)になっています。
手順8 ウィザード完了
wizard08
名前とメモリを確認したら[完了]を押して作成します。

以上で新たな仮想マシンが誕生しました。Virtual PC コンソールを見てください。 いま設定した名前が表示されていると思います。 Virtual PC コンソールは最小化するとタスクバーに常駐します。


仮想マシンの設定、削除、起動と終了

vpcconsole

お使いのCPUがIntel-VT、AMD-VをサポートしたCPUをであれば、 ファイル(F)>オプション(O)から「ハードウェアの仮想化」を有効にすることができます。 これにより実行パフォーマンスが向上します。 個別のバーチャルマシンに設定するには[設定]ボタンから選択します。 [設定]ボタンから接続するデバイスやメモリなども調整できます。 ファイルから新規マシンとハードディスクを作成できます。 [新規]ボタンでも新規マシンの作成が行えます。

もし途中でおかしくなってどうにもならなくなったら、 いったんVirtual PC コンソールから削除して、 再作成すればいつでも新しいものが作成できます。 コンソールからの削除では、実際の設定ファイルとバーチャルハードディスクは 保存先に残ったままですので、不要であれば自分でファイルを削除する必要があります。 誤ってコンソールから削除した場合は前述の手順2で既存のバーチャルマシンを追加するを選択して、 設定ファイルを追加すれば元に戻ります。

仮想マシンを起動するにはコンソールにある縮小画面と名前の領域をダブルクリックするか、 右側にある[起動]ボタンを使います。 すると別ウィンドウで仮想マシンの起動が始まります。 当然はじめはOSが何もインストールされていませんので、ネットワークブートを試み、 最後にBootエラーになります。 このウィンドウの操作(A)から一時停止、リセット、閉じる(サスペンドか電源OFF)を行うことができます。


FreeBSD 6.2を仮想マシンにインストールする(CD起動まで)

仮想マシンを作成しただけでは利用できません。 これを動作させるためにOSをインストールしなければいけません。 インストールできるOSはごく普通にパソコンに入るものであればなんでも使えます。 Windows98でも2000でもXPでもVistaでもライセンスをお持ちであれば利用できます。 FreeBSDやLinuxやSolarisはもちろんMS-DOSなども利用できます。 いま旬であるWindows Sever 2008 RC0も32bit版であれば評価することができますよ。 筆者の個人的好みによりFreeBSDをインストールして説明していきますが、 他のOSも同様にインストールできますので興味があれば試してみましょう。

仮想マシンにOSをインストールするには主に二つの方法があります。 ひとつはOSのインストールCDやDVDやFDを利用してインストールする方法。 これは実際のパソコンにインストールする場合と同じ方法です。 もうひとつは、予めインストールCDやDVDのイメージファイルをハードディスクに保存しておいて、 そのイメージファイルをCDとして擬似的に見せることによってインストールする方法です。 この方法はダウンロードしたOSのインストールイメージをそのまま利用できますので、 CD-RやDVD-Rに書き込みでがきない環境であってもすぐに試すことができます。 Virtual PCで利用する場合は後者のイメージを利用する方法が簡単でお勧めです。

それではFreeBSD6.2のインストールCDをダウンロードしてきましょう。 日本の場合はダウンロードサイトはここから選択します。

http://www.jp.freebsd.org/mirror.html

今回は ftp.jp.FreeBSD.org を使う事にしました。 本家公式配布物のFreeBSDのリンクをクリックすると、 ftp://ftp.jp.freebsd.org/pub/FreeBSD/ に接続されますので、 releases>i386>ISO-IMAGES>6.2と選択して 6.2-RELEASE-i386-disc1.iso を適当なフォルダ(マイドキュメントなど)にダウンロードして保存します。 CD起動と基本ソフトのインストールにはこの1個だけで大丈夫です。 このCDは緊急時の起動ディスクとしても利用できます。 サーバマシンに直接入れる場合はしっかり保管しておきましょう。

準備ができましたら、仮想マシンを起動させます。 そのまま待っていても起動しませんので、 メニューのCD(C)から「ISOイメージのキャプチャ」を選択して、 先ほどダウンロードしたファイルを指定します。 これによりCDドライブにCDをいれた状態と同じになります。 CDを取り外すにはこのメニュー内にある 「"6.2-RELEASE-i386-disc1.iso" を解放する」 を選択することで行えます。操作(A)からリセットを選択して再起動させます。

vpcfbs01

しばらく待つとCDから起動して、FreeBSDのブート画面が表示されます。

vpcfbs02

これ以降は通常のパソコンにFreeBSDをインストールする手順で行えます。 説明が長くなりますので別ページに詳細を書きます。 続きはFreeBSD 6.2をインストールする(初期設定まで)からどうぞ。